高校留学を成功させるための英語勉強法
2017年12月21日
留学準備について
高校留学の目的は人それぞれですが、目的が何にせよ絶対に避けて通れないのは、授業についていくだけの「英語力」ですね。
現地に行ってから英語力を伸ばそう!と考える人(それを目的にしている人)も多いと思いますが、限られた留学期間を充実したものにするためには、日本にいる間にしっかりと英語力を付けておきたいところです。
僕も英検3級ギリギリのレベルにいる娘に対して、高校留学するまでにどうやって英語力をアップさせようかと、頭を悩ませながらサポートしているところなんですが、果たしてどうなることやら、、、。
実際に高校留学で必要な英語力ってどれくらいなのでしょうか???
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高校留学に必要な英語力は「資格試験」だけで大丈夫?
海外の高校の入学基準として、TOEFL、IELTSといった試験のスコアの提出が求められている場合や、各種団体から英検取得などの、おおよその目安が提示されている場合がありますね。自分が今どのくらいのレベルなのか?を測るために、これらを利用するのは良いと思います。
けれども、「試験のスコアが良ければ、本当に高校留学するのに十分な英語力があると言えるのか?」と聞かれれば、大学留学経験がある僕としては、「そう簡単な話ではないのでは?」と答えたくなります。
英語の基礎力という点では、試験で高いスコアが取れればそれなりに力があると考えて良いと思います。しかし、受験勉強と同じで、どんな試験であれ、試験対策をしっかりやれば、誰でもそれなりにスコアが出せますが、スコアだけで高校留学に必要な条件が整うかと言うと、必ずしもそうとは言い切れません。
一般に、言語を使いこなすには「聞く、話す、読む、書く」の4つの技能があると言われています。
今回は、これら4つの技能を踏まえて、僕の大学留学経験で得た実感を交えながら「高校留学に必要な英語力」と「高校留学を成功させるための英語勉強法」について考えていきます。
高校留学を成功させるための英語勉強法〜使える英語が身につく5つのポイント〜
ここでは、僕自身の大学留学経験と、過去30年にわたる英語歴から導き出した「高校留学を成功させるための英語勉強法」をご紹介します。
(1)リスニング力を高めるために、まずは「発音」を徹底的に学ぶ!
相手が話していることが聞き取れなければ、会話は成立しません。ましてや、学校の授業に付いていくとなると、先生やクラスメイトが話していることが分からなければ、相当なストレスに耐えなければならなくなりますよね。
では、「リスニング力」って、どうやって身につければ良いのでしょうか?
「リスニング力なんて、現地の英語環境にいれば、自然と身につくのでは?」と思う人も多いでしょう。
確かに長い時間いれば、徐々に英語の音に慣れてくるという感覚はありますが、何の準備もなく「出たとこ勝負」に賭けるのは、せっかくの高校留学の時間を無駄にすることになりかねません。
実は、リスニング力を高めるために最も効果的な方法は、「発音」を徹底的に学ぶことです!
一見回りくどいような印象を受けるかもしれませんが、多くの日本人に共通する「カタカナ英語」から脱却して、「正しい英語の音」をしっかりと身につけるのです。
理由は簡単です。
「人間は聞こえる音しか理解できないし、聞こえない音は話せない」からです。
よく、「たくさんの英語を聞けば、いずれ聞き取れるようになる」という話も耳にしますが、それは嘘です。赤ちゃんや幼児であれば話は別ですが、中高生以上の年齢ではほぼ不可能です!
聞こえない音をいくら大量に聴き続けても、脳はそれらを「雑音」として捉えてしまうので、言葉として理解できるようにはなりません。
リスニング力を高めるための「発音」の勉強についてですが、一番効果的なのは、日本人で完璧に発音をマスターした方に、プライベートレッスンをしてもらうことだと思います。
「英語を学ぶならネイティブから」と考える人もいますが、発音に関しては絶対に日本人です。
ネイティブは生まれた時から英語の音で育っているので、なぜ日本人が上手く発音できないか?が理解できません。日本語の発声が分かっていて、英語の発音をきちんとマスターした人であれば、その違いを含めて丁寧に教えてくれるはずです。
しかし、そんな完璧な発音ができる日本人を探すのは容易ではありませんよね。
個人的におすすめなのは、「UDA式30音トレーニング」を広めていらっしゃる鵜田豊氏の「英語のリスニングは発音力で決まる!UDA式30音練習帳(The Japan Times発行)」という本です。公式HPもあるようなので参考にしてみてください。
この他、「フォニックス」を徹底的に勉強してみるのもおすすめです。様々な書籍があると思うので、自分に合ったものを探してみると良いでしょう。
ちなみに、僕が中学生の頃は「アメリカ口語教本(入門用〜上級用)」を使って学びました。
発音に執着したことで、リスニング力が身についたことと、ネイティブ並みの発音で話せるようになったので、本当に努力した甲斐がありました。
(2)リーディング力をつければ、リスニング力も飛躍的に向上する!!!
文章を頭から読んで「英語を英語のまま理解する力」のことを言います。
日本語の文法に合わせて文章を後ろから訳して読むような読み方ではなく、文頭から「かたまり」ごとに区切りながら、どんどん読み進める読み方を訓練します。
なぜ、そうしたリーディングでリスニング力が飛躍的に向上するのでしょうか?
リスニングは相手が話す「英語」を相手が話したままの語順で理解していかなければなりません。それは文章を理解する時と同じ脳みそを使うことになるのです!つまり、
つまり、リーディングで理解できるスピードが、リスニングで理解できるスピードとほぼ同じになるのです!
脳にとっては、「聞いた言葉も見た(読んだ)言葉も同じ」というわけです。
となると、「英文をゆっくりでしか理解できない」という人は、リスニングについても「少し早口だったり、文章が長くなると理解できない」ということになります。
当然のことながら、文章が読める(聞ける)ということは、それなりに単語力や文法力が必要になります。
「あ〜、やっぱり大嫌いな単語の暗記や文法の勉強をしなければならないのか〜」と感じる人もいると思います。
でも、大丈夫です。受験勉強のように大量の丸暗記や、難しい文法用語を覚えるような勉強は必要ありません。
まずは、中学校の教科書のような比較的簡単な英語を徹底的に復習します。「英語を英語のまま理解」できるようになるまで、繰り返し音読するのが最も効率的な勉強方法です。
いちいち日本語に訳さなくても、語られている内容が頭の中でイメージできるくらいまで行います。
それが完璧にできるようになれば、徐々に自分の興味に合わせてレベルアップしていくのが良いでしょう。
「英語を英語のまま理解する」ことと、「読むスピード」にこだわってみましょう。
リーディング力の向上がそのままリスニング力の飛躍的な向上に繋がります。
(3)スピーキング力アップの鍵は、「ライティング」にあり!
いわゆる英語が「ぺらぺら」になりたいということですね!これを高校留学の目的の1つにしている人も多いでしょう。
「話せるようになるためには、できるだけ多くのアウトプット(話す訓練)をする」というのが、一般的に考えられている勉強方法だと思います。
しかし、僕はそれだけでは不十分だと考えています。
少なくとも、本気で高校留学を成功させたいと考えている人であれば、英会話学校でいくらアウトプットの練習をしても、限界があります。
これは僕自身が英語を教えてきた経験から実感していることですが、簡単な挨拶やちょっとしたフレーズであれば、ある程度繰り返せば慣れてくるので言えるようになります。
しかし、ちょっと複雑な文章(例えば2つ以上の文章や文節から構成される「複文」)で何か伝えようと思うと、とたんに固まってしまうのです。
そこで大切なポイントの紹介ですが、飛躍的にスピーキング力をアップさせるために鍵となるのは、「ライティング力(書く力)」をつけることです!
「ライティングって英作文のことですか?」と聞かれることがよくありますが、日本語を翻訳する英作文と僕がここで話している「ライティング」とは別物です。
日本語と英語の構造は違いますから、日本語を英語に翻訳しようとすると、文章を反転させたり、無理な直訳をしようとして、おかしな英語になります。当然時間がかかりますよね。
僕がここで言う「ライティング力」とは、日本語を介さず、英語の引き出しから言葉をどんどん引っ張り出してくる作業のことです。(紙に書き出す作業)
なぜ、ライティング力をつければ、スピーキング力がアップするのでしょうか?
もうお判りですね?
頭の中から英語を引っ張り出す時の感覚は、スピーキングとライティングは同じだからです。
しかも、紙に書き出すライティングは、頭の中だけの作業ではないので、自分の文章を客観的に評価できます。
英文が単調(同じ言葉の繰り返しなど)になるとすぐに分かりますし、ちょっとした文法的な間違いにも簡単に気付けます。
そして、何よりも「より気の利いた表現力をつけたい」と思わせてくれる効果があります!!!
日本語だってそうでしょう。小学生のように「嬉しかった」「楽しかった」「辛かった」というように簡単な言葉ばかりを使うのではなく、大人である私達は「感動した」「感銘を受けた」「充実した時間だった」「一生の思い出に残る出来事だった」「孤独を感じた」などのように、様々な言葉を状況に合わせて使いますね。
ライディング力を高めることで、日本語から英語に翻訳せずに、思い浮かんだことをすぐに英語で発信できるようになる(つまり、英語の引き出しが増える)のです!
(4)表現力を磨くには「英英辞典」を読み込む!
「知らない単語や表現をどうやって英語にするのか?」「気の利いた言い回しをどうやって使えるようにしていくのか?」という問題です。
方法は色々とありますが、ここでは僕が普段やっている方法をご紹介します。
「日本語ではこう言うんだけど、英語では何て言うんだろう?」という時、まずは和英辞典で調べます。
普通は自分が持っている和英辞典で調べると思いますが、僕が調べる時は、より多くの表現方法を知るために1冊ではなく、複数の和英辞典を使います。
そして、言葉を見つけたら、実際に英語の文章の中でどのように使われているか?を知るために例文を読みます。
1つの言葉に対して、複数の単語が載っている場合も多いですから、ニュアンスが一番マッチしている例文を探します。
それでもどうもしっくりこないことがあります。
日本語の言葉が意味することと、英語に変わった時の意味が微妙に違うなあと感じることが実はよくあります。
そんな時は、すかさず「英英辞典」を使います。
僕のおすすめは「LONGMAN現代英英辞典」と「Collins COBUILD Advanced Learner's Dictionary」です。
スマホのアプリ版も売られていますね!
Longman現代英英辞典アプリ
コウビルド英英辞典(第8版)アプリ
英和辞典にせよ、和英辞典にせよ、どうしても著者(編集者)による解釈があるので、多少のニュアンスの違いがあったり、言葉の使い方が不適切な場合があったりします。これは辞書そのものが悪いというわけではなく、異なる言語を個別の状況に対して完璧に当てはめることの難しさが原因です。
ところが、英英辞典では個々の英単語が持つ本来の意味とその使われ方が正しく記載されているため、誤解が生じることがほぼありません。英語を母国語とする人が聞いたり読んだりしても違和感のない言葉遣いとなります。
話が少し逸れましたが、分からない単語や表現に出くわした時、僕は単語の意味を追いかけるのではなく、辞書に記載されている例文を徹底的に読み込み、「これがいい!」と思った英語を文章のまま覚えることにしています。
本来は調べる予定でなかった言葉に出合うこともありますが、それでも気に入れば全てノートに書き出して覚えます。こうしてたくさんの表現に出合うことで、英語が持つ微妙なニュアンスを体得することができます。
表現力を磨くための大切なコツですが、「無理に日本語を英訳しようとしないこと」です。
辞書を制作する英語のプロですら、完璧に言葉を当てはめるのは困難なのです。
私達がライティングやスピーキングをする場合、「言いたいこと、伝えたいことがおおよそ伝わればOK」というくらいの気持ちの余裕が大切ですね。
(5)アウトプットする環境を作る!!!
ここまで英語勉強法について、いくつかポイントを挙げてご紹介してきましたが、実際にはもっと多くの英語勉強法があり、どれが一番ということはありません。
自分に合ったやり方が見つかって、高校留学を成功させるための英語力が身につくのであれば、それが一番です。
しかし、どんな方法を使うにせよ、絶対に必要なプロセスがあります。
その1つが「アウトプットする環境作り」です。
いくらリスニング力がついて、英語表現の幅が広がったとしても、最終的にはそれをアウトプットする場がなければ、本当の意味で「コミュニケーションツール」にはなりません。
また、自分が習得してきた英語力を活かす場があれば、さらにモチベーションアップするでしょう。
最後のポイントとして、アウトプットする環境についてお話します。
ここまでご紹介してきた勉強方法は「自分一人」でもできますが、アウトプットだけは他者の力が必要です。
ネイティブの友人がいるという人は、できるだけ積極的に交流をしたいですね。
身近にネイティブの人がいない場合、何らかの方法でアウトプットする環境を作らなければなりません。
最近ではSNSを通じたコミュニティーに参加し、オフ会などで気軽に友人を作れる場も増えています。もちろん、国内だけでなく、海外の友人を作ってネット上で会話することもできますね。
その他にも、有料にはなりますがSkype等を使ったネット英会話のようなものもあり、比較的安価でアウトプットする環境が手に入ります。
多少の手間やお金がかかったとしても、高校留学前にできるだけ多くのアウトプット環境を作りたいですね。
まとめ
最後に、もう一つだけ大切なポイントをお伝えします。それは「間違いを恐れない」ということです。
日本人の場合、どうしても完璧な英語を話したいという気持ちが強く、間違えると恥ずかしいと感じる人が多いですね。
もちろん、向上心は大切ですから、間違いの少ない英語が話せるようになるための努力は必要です。けれども、実は「完璧な英語」を使いこなすことは、ネイティブであってもできません。
同じ質問を自分に向けてしてみると分かります。
「あなたは日本語を完璧に話せますか?」
さて、どう答でしょう?
間違った言葉遣いをしたり、相手に伝わりにくい話し方をしてしまうことは多いと思います。英語であればなおさら完璧に使いこなすなどできませんよね?
完璧主義の最も大きな弊害は、「間違いを恐れすぎて、貴重なアウトプットができなくなること」です。
高校留学を成功させるために、日本人に一番必要なことは、これまでの教育で学んでこなかった「発信する力」です。
自分の考えをきちんと発信することが求められるのが高校留学です。いちいち間違いを恐れていては、発信などできるはずがありません。
僕の留学経験からもはっきりと言えることですが、間違った言葉遣いや、多少たどたどしい表現だったとしても、周りは一切気にしません。それよりも「何を考えているか分からない」人の方が敬遠されます。
自分の意見を堂々と言う。
そのために必要なのはアウトプットする訓練です。
頭で考えているだけではダメです。
アウトプットする環境を作り、たくさん間違っていきましょう!間違った数が多ければ多いほど、より実りの多い高校留学ができると思います。
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