留学エージェントから聞いた「留学失敗例」
2017年10月24日
留学生活って???
留学を最大限活かせる人と活かせない人の違いは?
「留学して良かった」という話は、これから留学を考える人にとっては、とても励みになる話題ですね。
できれば、そんなポジティブな話で盛り上がりたいところですが、実際には留学を活かしきれなかった人もいるはずです。
そして、せっかくお金を出して子供を留学させる親の立場としては、「失敗しない留学」についてもしっかり考えておきたいと思います。
「失敗」と言っても、一言で定義できるものではないし、あくまで留学経験者の主観によるところが多いと思います。
一方で、第三者が客観的にみて「これはまずいよね」と思う問題やトラブルを抱えて帰ってきた留学生がいるのも事実だと思います。
そこで今回、できるだけリアルで学びに繋がる情報を得るために、留学エージェントの担当者に「留学生の失敗談」についてヒアリングしました。
留学の意味が薄れてしまう一番の原因は「日本人留学生」!?
これは本当に納得です。
僕も自分の留学生活を振り返っても、大きく頷いてしまう事例です。
確かに知らない土地、慣れない言葉、全く異なる生活環境に飛び込むわけですから、精神的に追い詰められることもあるでしょう。
けれども、その不安な部分を経験することこそ、まさに「留学の価値」の1つのはずです。
せっかくの機会なのに、現地で知り合った日本人留学生とばかり一緒にいるのであれば、「何のために留学してるの?」ということになります。
特に語学留学をするのであれば、現地では「日本語は一切使わない」というくらいの覚悟を持ちたいですね。
また、異文化交流が目的の場合でも、「日本人留学生とは絡まない」と決めて、ホストファミリーや現地の学生、そして他の国から来た留学生と積極的に関わらないともったいないですよね。
スマホが留学中に思わぬトラブルの原因になる!?
スマホを使えば24時間、両親や友人に今の自分の状況をリアルタイムに伝えることができます。
留学生本人もストレスや不安を取り除くこともでき、親にとっても安心感が得られると考えられますが、実はこれが大きな落とし穴になることが多いそうです。
1つには、せっかく英語環境で生活し、貴重な経験をしているにも関わらず、スマホで日本語を使って親や友人とやり取りすることで、本人の意識低下を招くことがあるようです。
確かにそうですね。
英語環境ってかなりのストレスがかかるものですが、そのストレスがあるからこそ、精神的にも強くなれるし、英語力を飛躍的に伸ばすことに繋がります。
しかし、スマホで毎日日本語を使って、親や友人から優しい言葉をかけ続けられると、甘えが出てきます。
そして、日本語を使えば使うほど、英語の思考回路はできにくくなります。
ひと昔前のような不便な環境なら、連絡したくても簡単にはできないので、忍耐力も付きますし、否が応でも英語を使うので、上達も著しいですよね。
もう1つのポイントとして、SNS等で自分の気持ちや現在の状況を報告することで、日本にいる親や友人が間違った印象を持ってしまい、現地の団体や学校、ホストファミリーに対して、エージェントを経由せずに直接クレームが入るケースがあるそうです。
日本で生活していても、文章力や表現力が稚拙な中高生が、思いついたままをネット上で発信すれば、当然読み手が誤解してしまい、思わぬトラブルに巻き込まれることが多いものです。(子供達だけでなく、大人でもよくあることです。)
ただでさえ、見知らぬ土地に可愛い子供達を送り出して心配している親にとって、中途半端な情報発信くらい不安を煽るものはありませんね。
勇み足で現地に問い合わせをする親がいても、何ら不思議ではありません。
最後にもう1つ気になることを聞きました。
それは、色んな写真をSNS等に投稿することで、「プライバシーの侵害」で訴えられる可能性があるということです。
日本でも個人情報に対する意識は徐々に高まってきていて、勝手にタグ付けされることを嫌がる人も多くなっていますね。(アプリでのプライバシー設定も強化されてきています。)
日本では訴訟まで発展するようなケースは稀ですが、海外では頻繁に訴訟問題に発展します。
特にアメリカは「訴訟大国」と呼ばれるくらい、何でもかんでも訴訟にする国柄です。
ホストファミリーと一緒に撮った写真や、学校でクラスメイトと撮った写真などを無許可でSNSにアップすると、大問題になる可能性があるということです。
留学中も、あればとても便利なスマホですが、日本にいる時とは全く違うという認識や心構えを持たせないと、大きなトラブルの原因となることがありそうですね。
やっぱりある!?高校留学の途中で退学や留年になる子供達!
「自分の子供は無事に高校を卒業できるのだろうか?」
ということですね。
留学エージェントからも、失敗事例として「退学」や「留年」の話は出てきました。
エージェントにとっても、あまり喜ばしい話ではありませんよね。
ビジネス的に考えて、退学や留年する生徒を多く出してしまえば、自社の評判に関わるわけですから、あまり積極的には情報提供をしたくないというのが本音でしょうね。
でも、僕はあえてそのことにも突っ込んだ質問をしています。嫌な客(親)ですよね?(笑)。
いくつかのパターンはあるようですが、概ね下記のような事例が多いということが分かりました。
■課題提出が出来ていなかったり、成績が悪く留年し、高校生活を4年送ることになった。(または退学となった。)
■私立高校で、学校が厳しすぎて1学期で自主退学となった。
■ホームステイ先の言うことを聞かず、注意も無視した結果、退学となった。
■ 喫煙や飲酒が発覚し、退学となった。
■もともと(日本で)不登校だった生徒が、現地でも不登校となり退学となった。
■ボーディングスクール(全寮制)に入学したが、厳しい規則などがあり、我慢できず逃亡を図ったりして退学となった。
どれも概ね想像ができる失敗事例ですよね。
エージェントの話によると、女子生徒よりは男子生徒に退学者が出るケースが多いのだとか。
確かに最近の中高生は、男子より女子の方が責任感が強く、粘り強さもあるような風潮がありますから、何となく理解できますね。
〈関連記事「高校留学を成功させるための英語勉強法」〉
あと、「親の過保護」が気になるという話もありました。
日本と海外では文化も習慣も違うわけなので、当然苦労は付きもののはずです。
しかし、親が過保護になってしまい、子供も甘えてしまうというケースが増えているそうです。
また、子供本人よりも親が留学させたいという思いが強く、無理やり海外へ送り込むというようなケースもあるそうです。
これはちょっと、ドキッとしますね、、、。
真剣なのは良いことと思っていますが、子供の熱意よりも親の熱意が勝るようでは困りものということでしょうね。
いずれにしても、留学をする前に、「何のために留学するのか?」とか、留学するためには「英語力を含めて、乗り越えなければならない壁がいくつもある」ということを深く理解し、親子で何度も話し合う必要がありそうです。
Deprecated: 関数 related_posts は、バージョン 5.12.0 から非推奨になりました ! 代わりに yarpp_related を使用してください。 in /var/www/html/wp-includes/functions.php on line 5383
コメント..