どんなタイプの高校留学を選ぶかの鍵は「卒業後」にある!
2017年11月20日
留学後の進路は?
短期から長期まで様々な種類のある高校留学。
さて、親の頭を最も悩ませるのは、「自分の子供達にピッタリな留学とは、どんなタイプの留学なのか?」ということです。
エージェント巡りをして、カウンセラーから出てきた話を整理して分かったのは、高校留学は「卒業後の進路をどう考えるか?」で大きく2つの方向性に分かれるということです。
正直言って、僕も最初は高校留学って「短期留学か、長期留学か」という「期間」で考えるものかなあと思っていましたが、それは2番目か3番目に考える話で、実は「日本の高校を卒業するのか?」「海外の高校を卒業するのか?」を決めることが第一だということが分かりました。
もっと踏み込んで言えば、それは「卒業後の進路を考える」ということなのです
。
卒業後の進路を考えずに、「なんとなく留学したい(させたい)」と考えると、思わぬ落とし穴にハマってしまう可能性があります。
そのあたりのことについて、詳しくお伝えしていきたいと思います。
「卒業後」は日本の学校へ進学したい人が考えておくべきこと
案外、これって普通の日本人にとっては重要なことですよね?
世間体を気にする親や、今まで一緒だった同級生と同じように学年が上がることを望む子供であれば、「留年」や「退学(中退)」って言葉の持つ意味は相当なものです。
実際、エージェントのカウンセラーに話を聞くと、これらを気にするが故に、留学期間を短くする生徒さんも多いのだとか。
日本の高校に通っている子供達の場合、全く進級や卒業に影響のないかたちで留学するとなると、確実なのは春休みや夏休みを利用した「短期留学」以外にありません。
高校が休みの期間に留学するのであれば、出席や単位に全く影響がないわけですから、心配することもありませんね。
もう少し長い期間留学したいという場合は、交換留学のように3ヶ月〜1年間という中長期の留学ができます。
しかし、中長期の留学については、休学扱いにしてくれたり、単位を認めてくれたりするかどうかは、在籍する高校の判断によるようです。
そうなると、場合によっては「留年せざるを得ない」状況になる可能性がありますよね。
そして、日本の大学進学を目指す場合、最も大きなハードルは「受験勉強」です。
仮に1年間の交換留学をしたとして、日本の高校が留年せずに進級させてくれるようなケースでも、1年分の学業の遅れを取り戻すのは、そう簡単ではありません。
特に、高校2年生の夏から3年生の夏まで留学する場合は、難関大学と言われるような大学を受験するのであれば、大きなリスクになることは間違いありません。
もちろん、難易度の比較的低い大学や、専門学校に進学するのであれば、多少のブランクはカバーできると思います。
「1年くらいの高校留学を考えるのであれば、「休学」や「留年」というのは、現実的な選択肢として考えるべきでしょうね。
〈関連記事「1年未満の高校留学、帰国後に留年?それとも進級?」〉
高校留学をより有利に日本の大学受験に活かすには?
実は日本の高校へ行くよりも、有利に大学受験ができる方法がありました!
その答えは「帰国子女枠を利用して日本の大学を受験する」ことです。
海外の高校へ2年以上在籍し、卒業資格を取得して帰国した場合、現在の日本の大学受験制度では、「帰国子女枠」や「AO入試」での受験が可能です。
この制度では、一般の受験と異なり、主に英語・小論文・面接等によって合否が決定します。(学校ごとに受験内容は異なります。)
帰国子女枠での受験ができる大学の一例をあげると、、、
■国公立大学
・東京外国語大学
・大阪大学
・北海道大学
・九州大学 など
■私立大学
・慶應義塾大学
・早稲田大学
・上智大学
・青山学院大学
・国際基督教大学
・聖心女子大学
・中央大学
・法政大学
・明治大学
・東京理科大学 など
国公立・私立を合わせると、なんと400校以上が帰国子女枠を設けています。
多くの一般の受験生は5教科(又は主要3教科)で勝負するわけです。
しかも有名大学であれば、偏差値も競争率とても高いですね。
しかし、海外の高校を卒業すると、受験科目も少なく、「確かな英語力」さえあれば、本来の実力以上(ワンランク上)の大学を狙うことも可能だということをエージェントから聞きました。
近年の留学人気の状況を踏まえて、帰国子女枠に対するルールも変わりつつあるそうですが、それでも当分はこの有利な状況は続くでしょうね。
高校留学で得られる様々な経験に加えて、日本の大学受験も有利になるのであれば、海外の高校を卒業する(2年以上の)留学も視野に入れて検討すべきですね!
「卒業後」に海外の大学へ進学する場合に考えておくべきこと
そんな人達にとって、高校留学はどのように考えるべきなのでしょうか?
体験としての短期留学
僕は日本の高校を卒業後、アメリカの大学を目指したタイプですが、実は高校1年生の時にホームステイで1ヶ月間アリゾナ州に滞在しました。(サンフランシスコとロサンゼルスも観光で立ち寄りました)そのことが結果的に留学先を決める大きな要素になりました。
僕の経験から言うと、前もって本当に気にしておいた方が良いのは、実は「海外で学ぶこと(内容)」よりも、「日本との生活習慣の違いを知ること」です。
高校留学・大学留学を問わず、長期間海外で生活するのであれば、一度は短期で良いので、実際に海外に触れておく(できれば家族ではなく、一人で)ことって重要だと思います。
例えば、将来アメリカのUCLAに進学したいという夢があるのであれば、高校生のうちに(夏休みなどを利用して)ロサンゼルスに短期留学(語学留学やホームステイ)をしておくと、子供達も覚悟ができますよね。
もし「想像と違うな」と思ったら、考え直せば良いことです。選択肢はいくらでもあります。
何と言っても、一度経験しておけば、夢はどんどん広がるでしょうし、本人も「なんとなく大丈夫だろう」という自信がつくものです。
我が家も来年の夏休みを目標に、計画を練っているところです。
本気度を試す長期留学
「海外での生活に慣れる」という意味では「短期留学」でも十分だと思います。しかし、海外の大学に正規留学しようと思うのであれば、やはり高校生の時に半年〜1年くらいの海外経験があることは大いに役に立つはずです。
というのも、海外の大学での勉強はかなりハードなものになります。
英語力について言えば、いくらテスト(英検やTOEFL、IELTSなど)のスコアが良かったとしても、実際に留学してみると「歯が立たない!」と思うような状況がいくらでもあります。
〈関連記事「高校留学するために、どれくらい英語力が必要???」〉
特に英語力にまだまだ自信がないという人にとって、「留学したい」という本気度を試す意味でも、長期留学は一考の余地がありそうです。
実際に、我が家でも考えているのが、アメリカへの交換留学です。
交換留学については、別のページで詳しくお伝えするとして、何が一番魅力的かというと、色んな意味で「修行」ができる点です!
留学生の受け入れを積極的にしているわけではない、いわゆる「普通の公立高校」へ単身で乗り込むということです。
英語ができない留学生のための特別なクラスがあるわけではなく、容赦ない英語環境で、生活習慣に慣れ、友達作りもして、1年間乗り切ることができれば、それはもう絶対的な自信になります。
もちろん、「ちょっと英語には不安がある」という人であれば、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドへの私費留学も視野に入れることができると思います。
留学生の受け入れ体制もが整っている学校も多く、個々の英語レベルに合わせたESLクラスがあるので、比較的スムーズに学校生活を送ることができるようです。
それでも僕が敢えてアメリカへの交換留学に魅力を感じる理由は、卒業後の大学進学を考えた時、高校での頑張りが必ず活かされるからです。
少しストイックに聞こえますが、実際に大学留学を経験した僕の立場から言うと、海外の大学を卒業するということは、それくらい大変なことなのです。
僕もこれから娘と色んな話をしていきますが、「どうせやるなら、本気で!」という覚悟があれば、アメリカへの交換留学は、乗り越える価値の高い選択肢だと思います。
国によって異なる教育制度を理解する
ここまで、卒業後の大学留学を見据えて、高校生のうちにどのようなタイプの留学を経験しておいた方が良いかという観点で見てきました。しかし、もっと根本的な事柄について、しっかりと理解を深めておく必要があると思っています。
それは、「教育制度は国によって異なる」ということです。
僕も娘の高校留学を考えるようになるまでは、あまり意識したことがありませんでしたが、アメリカ以外の国の教育制度を知るにつれて、かなり選択肢を絞り込むことができる気がしてきました。
日本と教育制度が近いのはアメリカです。
年度の始まりは9月なので違いますが、日本の高校を卒業していれば、様々な選択肢の中から留学先を選ぶことができます。(アメリカだけで4,000校以上の大学があります。)
一方、イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・カナダといった国では、イギリスの教育制度を基本としていて、選べる大学数も非常に少なく、日本の高校を卒業してすぐに大学進学をするのは、ほぼ不可能だと感じています。
なぜなら、高校生(2年〜3年生)のうちに大学進学や高等専門学校進学へ向けた専門コース(日本の大学の一般教養課程)を取るので、進学後はいきなり専門分野の授業がスタートするためです。
当然、大学進学するためには、レベルの高い試験をパスする必要もあります。
となると、日本の高校生がこれらの国に1年程度の高校留学を考える場合でも、単位認定の問題や、留学時期を含めて、十分注意しながら検討する必要がありますね!
〈関連記事「こんなにも違う!海外の高校の教育制度の違い」〉
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